がんの死亡率の中でも上位を占めている大腸がんは、自覚症状がほとんどないまま病気が進行していきます。そして自覚症状が現れるころには、かなり病状が悪化してしまっているケースが多いです。
大腸がんは早期発見を行うことで、治療可能な病気です。早期発見・治療のためにも大腸内視鏡検査を受けることがすすめられていますが、いざ受けるとなると実績のある病院を選びたいという人は多いですが、大腸内視鏡検査の実績のある医院の見分け方を知っている人は少ないです。そこで今回は大腸内視鏡検査の実績のある医院の特徴についてお話していきます。
目次
ホームページ上でこれまでの実績を公開している
インターネットが普及したこともあり、比較的規模が小さい個人病院でも病院のホームページを所有しているところが多いです。まず実績のある医院かどうかのチェックでわかりやすいのが、「病院のホームページにこれまでの実績の記載があるかどうか」です。
病院のホームページの作りなどによっては、月ごとや年間の大腸内視鏡検査実施件数だけという場合もあります。しかし大きな病院や専門クリニックなどの場合は、グラフなども使用して年間の検査実施件数や、発見した病気の数、処置方法まで公開しているところがあります。このようにしっかりと目に見える形で、これまでの実績を公開しているかどうかをチェックしてみましょう。病院によっては年度別での検査件数や、がんの発見率などをグラフ化しているところもあります。
実際に大腸内視鏡検査を行った月ごと・一年間の件数は多いにこしたことはありませんが、病院の規模や創立からの年数なども考慮する必要があります。これまでの大腸内視鏡検査件数で言うなら、病院の規模にもよりますが最低でも5,000~1万件以上はあったほうがよいです。実施件数が多ければそれだけ内視鏡検査を行っている医師や検査技師の技術力も高いと考えることができ、安心して検査を受けることができます。
大腸内視鏡検査の検査に慣れていて実績のある医院の多くは、大腸内で発見した病変部の画像を公開し、切除などの処置方法も記載していたり、検査手順や処置方法の動画を公開していたりすることが多いです。
大腸内視鏡検査について詳しい説明があるか
大腸内視鏡検査の実績のある医院では、患者が大腸内視鏡検査に対してどのような不安や疑問があるのかということを、これまでの経験から把握していることが多いです。そのため病院やクリニックのホームページ上で、大腸内視鏡検査とはどのようなものなのか、検査方法や痛みについて、当日の流れやQ&Aなどを記載しているところが多いです。
そして、実際に病院に電話やメールで問い合わせをしたときも、質問に対してしっかりとした回答を得ることができ返事も早いという特徴があります。医師に直接不安や疑問を話してもすぐに納得のいく回答を得やすいです。また総合病院や地域の基幹医院のように大きな病院で複数の大腸内視鏡検査方法を行うことができる場合は、きちんとそれぞれの方法のメリットやデメリットなども診察時など検査をする前に話してくれるかという点もポイントとなってきます。
大腸内視鏡検査方法や検査の流れも重要ですが、検査時の処置方法なども聞いてみると担当医の経験があるかどうかも判断しやすいです。検査後に鎮静剤などの薬の効果が切れるのを待つ回復室があるか、そして検査時に患部切除を行った後のケアなどもしっかりしているかも見極めるポイントです。実績が少ない医院の場合、回復室がなかったり、検査後に何かあったときに対応してもらいにくかったりという特徴があります。
初めて大腸内視鏡検査を受けるときや、これまでに何度か大腸内視鏡検査を受けて痛みがあったり、不安を覚えたりした人はきちんと検査の申し込み前に医師に質問をして実績があるかどうかを見極めてみましょう。
費用や検査を受けた人の声などがHP上で記載されている
これは実績のあるすべての医院に適用されるというわけではないのですが、検査費用についてホームページ上で記載のある医院が多いです。来院前にある程度予算を知っておきたいという人向けに、親切に大腸内視鏡検査のほかに、ポリープ除去といった料金項目を記載しているところもあります。費用の項目に関しては、大腸内視鏡検査の説明ページにあったり、Q&Aページに記載があったり病院によって異なります。病院によっては前日から入院するというところもありますし、検査方法などによっても料金は異なるので、事前に料金を確認しておきましょう。
また大腸内視鏡検査の実績のある医院では、ホームページで実際に検査を受けた人の感想を公開していることもありますし、医療関係の口コミサイトなどでも体験談を読むことができる場合が多いです。実際に検査を受けたときの様子などから、痛みの程度や患者の扱い、病院の雰囲気などを知ることができます。口コミを見るときに参考にしたいのは「痛み」です。実績のある医院の検査担当医は技術力が高いことが多く、大腸内視鏡検査のときに痛みが少ないという特徴もあります。
しかし口コミや感想に関しては一個人のものなので、HP上で公開されているこれまでの実績や医院で行うことのできる大腸内視鏡の種類、料金表示などといろいろな人の口コミなどをトータルで合わせて考えることで、本当に実績があるかどうかを考える必要があると言えるでしょう。そしていくら医院の実績があっても、自分を担当する大腸内視鏡医が必ずしも同一人物とは限らないことを頭に入れておきましょう。
大腸内視鏡検査専門の医師がいるかどうか
中規模の個人病院や大規模な地域の基幹病院、内視鏡専門クリニックでは内視鏡専門医が在籍しているので、専門医が検査を行います。小さな個人病院では医師が通常の診察と内視鏡の検査を掛け持ちしていることがあり、検査まで待たされることやスコープの扱いがあまり上手ではないために、検査中に姿勢を変えるように指示をしてくるようなことがあります。
内視鏡専門医とは「日本消化器内視鏡学会」が定めている研修をうけて認定試験を合格した「消化器内視鏡医」のことです。学会公認の内視鏡専門の医師のため熟練した技術を持ち、経験豊富だと言えます。スコープを使用した内視鏡検査の場合、内視鏡技術が未熟だと腸壁にスコープをぶつけてしまったりすることで、検査中の痛みの原因を作ってしまいます。
しかし内視鏡専門医の場合、内視鏡の扱いはプロなので腸壁にスコープをぶつけることも少なく、痛みも少ないかほとんど感じない状態で過ごすことができ、検査中に姿勢を変えるような指示を出すこともありません。また女性が検査を受けるときには、女性の専門医がいるところのほうが検査時の恥ずかしさなどを軽減することができます。
スコープを使用した大腸内視鏡検査の場合は、医師の技術力で痛みの度合いが変わるため、このように内視鏡専門医のいる医院がよいといえます。そのため医院の実績で検査機関を選ぶ場合も、専門の内視鏡医がいるかどうかもチェックしておくことが痛みの少ない大腸内視鏡検査を受けるための重要なポイントと言えるでしょう。
大腸内視鏡検査の実績のある医院は施設規模にもよりますが、検査実施件数が5,000~1万件以上、そしてきちんと患者に対して大腸内視鏡検査について細かな説明を行ったり、ホームページ上でこれまでの実績内容や、具体的な検査の流れなど細かいことを公開していたりすることが多いです。そして口コミ評判や周囲の人からの評判もよいことが多く、検査時の痛みが少ないという特徴があります。また内視鏡検査専門の医師の有無によっても、実績が変わってくることもあります。もしも実績があり痛みが少ない大腸内視鏡検査を受けたいのであれば、今回お話したポイントを踏まえて検査先を探してみてはいかがでしょうか。