内視鏡検査の大腸がんを調べる仕組みとは?

内視鏡は消化器官を内部から撮影し検査するものです。消化器官の仕組みとしては口で食べたものが胃に運ばれ、その後に小腸や大腸を通って最終的に肛門から排出されます。その肛門付近で発生するがんが大腸がんです。大腸がんが進行する流れは、がんとして体に悪影響を与える前には問題のないポリープという状態から始まるため、その時点で発見をすることができればがんとして発症する前に対策を取り、発症リスクをかなり下げることが可能です。しかしその段階では自覚症状がないことからなかなか発見することができず、事前検査として必要なのが内視鏡などの体の内部を確認する検査方法です。

消化器の仕組みと大腸がん

大腸がんとはその名前のとおり大腸に発生するがんの病名です。人間の体の中で食べたものを消化するのが胃で、消化したものを栄養を体に吸収させて不要なものは便にするのが腸です。この腸はいくつかの細かい部分に分けることができます。

まず胃からつながってくる部分は十二指腸、そこから腸の内側にあたる細めの小腸につながり、外側全体の大腸部分、最終的に肛門を経て外へと続いています。この大きい部分全体が大腸ですが、大腸部分をさらに細かく分けることができます。一般的に肛門と呼ばれる部分は肛門管という名前で、反対の流れでたどっていくと肛門管のすぐ上が直腸でさらに上部、下部とそれぞれ分けられます。そこから外側に向けて90度ぐらいの覚悟で曲がっているのが直腸S状部、そこから上に昇るまでの部分がS状結腸、上に登る部分が下行結腸、そしてまた90度になり横に伸びる横行結腸、そこから下に向かって小腸と繋がるまでの間が上行結腸です。

このように大腸と大まかに分類しても実に細かい場所に分かれています。この中でも日本人はS状結腸と直腸にがんができやすいとされています。お尻に近い部分に大腸がんは発生しやすいのです。大腸がんは初期の段階では本人もあまり症状は感じません。進行することで発生する症状は血と混じって便が出たり便の表面に血液が付着したりする症状のほか、便が残る感じや腹痛お腹が張るといった症状もあります。出血が見た目的にもすぐ分かる症状なのですが、痔と勘違いをすることもありすぐに病院で検査をしないケースも多いです。しかし早めに治療を行わなければそれだけがんが大きくなってしまいます。

大腸がんと病気と早期発見のポイント

大腸がんにかわらず、がん全般はポリープという本来は悪い働きをしないものが悪異な変化をしたものです。本来ポリープは異常な速度で進行をするものではありながらも良性といって、それ自体が体に悪影響を与えるものではありません。しかしそれががんに変化してしまうことにより体にとって悪いものとなってしまうのです。

がんとして発症する前にその問題のない良性のポリープという状態から始まるため、悪影響を与える状態に変化する前に発見し、良性のポリープの状態でその部分だけを切ってしまうことができれば、がんが発症する可能性はかなり低くなります。

しかし良性のポリープの状態では、体に悪影響を与えないためにがんとしての症状をまだ体には感じることがない状態です。体の内部を見なければ通常は不調と感じて病院で診てもらうことがありません。しかし事前に体の中をカメラで撮影することができれば、悪影響を与えない状態でもその大きさから発見できるため、がんに変化する前に対処することが可能になるのです。

大腸がんが発生するのは統計から考えると40歳以上から多くなり、50代になるとさらに発生率は高くなります。年齢が上がれば上がるほど大腸がんになる可能性も高くなるので、発生する可能性がでてくる40歳近くになったら、定期的に大腸がんの検査を受けるようにすれば早期発見につながりやすいのです。また男性の中ではがんのなかで胃がんと肺がんに続いて三番目、女性であれば乳がんに次いで2番目に多いがんの種類です。

消化器官の検査ができる内視鏡の仕組み

内視鏡とは細い管のようなものの先端に小型カメラが付いた検査機器です。口や肛門から人間の体の中に挿入することで、外見からは見ることのできない体の内部の状況を撮影することが可能な検査機器です。口から入れるものであれば食堂や胃の状況を撮影することができ、反対に肛門から挿入すれば胃や腸の状態が撮影可能なのです。内視鏡を使う検査としては体の中で消化器と呼ばれる部分の検査になりますが、食道や胃と細い部分の十二指腸が上部消化器官と呼ばれ、大腸は下部の消化器官、これらとは別の肝臓や膵臓の消化器官、この3種類の消化器官を内視鏡検査で状況確認することが可能です。

先ほどの大腸がんの早期発見の部分で考えると、体の外部を一見しただけや、普段の生活の症状からは発見することができません。そのため内視鏡などの体の内部を撮影する検査の方法をとらなければ事前に大腸がんとして発見や診断をすることができないのです。

正しい体の内部を撮影して大腸がん検査を見つける方法というのは内視鏡検査だけではありません。注腸X線検査という方法でも体の腸内部を撮影することが可能です。このX線検査とはレントゲン撮影のことですが、大腸というのはX線写真には写らないためX線に写る特殊な薬剤であるバリウムを肛門から大腸に入れて撮影し、初めてX線検査で大腸にあるポリープを見つけることができるようになります。2018年時点では大腸がんを見つけるための検査方法はお尻から内視鏡検査を挿入するかバリウムを入れてのX線検査のどちらかとなっています。

大腸がん検診の仕組みと大腸内視鏡で検査までの流れ

もしも大腸がんが不安なため検査をすることになってもすぐに肛門から大腸内視鏡の検査機器を挿入するというわけではありません。その検査タイプによっても変わってくる部分はありますが、基本的にまず大腸がんの検査として最も推奨されているのは便潜血検査です。

これは通常の便を採取し検査をするというものです。良性のポリープが発生していた場合、自覚症状はなくても腸の中に大きな異物が発生していることから、消化したものが便として排出されるまでの間にそのポリープと擦れることにより多少の出血が発生するということになります。そのため痛みなどの自覚症状がなく、見た目としても血が混じっている便とは見えなかった場合でもわずかな血液が付着しているのです。

便を提出し検査をおこない、血液が付着してないかどうかを判断するのが一次検査となります。その上で血液がついていたということであれば二次の精密検査として内視鏡検査をおこなったり、注腸X線検査で具体的にポリープが発生していないのかを調べたりする流れとなります。大腸がんの検査をしておきたいけれどいきなりお尻から内視鏡を挿入されるのは嫌だという方でも、まず便を提出するだけであればかなり抵抗は低くなります。

基本的に市区町村が行うような健康診断はまずこちらの方法が採用されます。しかしやはり実際に見てもらった方が安心という方の場合には直接医療機関で個別に健康診断を依頼し、リスクも説明された上で了承すれば内視鏡の検査をすることも可能です。

大腸がんの検査をおこなうために必要なのが、体の内部の撮影をする仕組みである内視鏡の検査です。大腸がんは腸の中でも肛門に近い部分に発生しやすいがんで、男性では3番目、女性では2番目に多いがんの種類です。ただし早期に発見するには自覚症状がないために事前の検査をおこなわなければなかなか発見には至りません。事前の検査が大切であっても検査でいきなりお尻から器具を挿入されるのは抵抗がある方も多いです。ですが大腸がんの検査はまず便を提出して、その中に血が混じっていないかを検査するのが一次的なものなので、いきなり内視鏡を挿入するものではありません。