内視鏡検査に関する4つの疑問!なぜ受けるのか?徹底解説します!

内視鏡検査とはどのような検査かご存知ですか。小さなカメラが先端についた細長い管を使用して、食道・胃・大腸などを直接観察しながら検査するものです。

直接カメラを口や肛門から入れて検査する訳ですから、「怖い」「痛そう」「苦しそう」というイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、一般的な健診では発見しにくい病気を早期に発見することができ、発見が早ければその分早期に治療も始められるので、とても価値のある重要な検査と言えるのです。

この記事では、いかに内視鏡検査がオススメか、その理由について解説していきます。

内視鏡検査は、なぜ必要なのか

2015年国立がん研究センターのがん統計予測によると、がん患者数を発症部位別に見てみると、国内第1位は大腸、第3位が胃となっています。この結果から、大腸がんと胃がんは、がんの中でも特に発症頻度が高く、恐ろしいものであることが分かります。

まず大腸について見ていきましょう。大腸がんのほとんどは大腸にできたポリープが悪性化、つまりがん化したものですが、ポリープの段階で自覚症状が出ることはほとんどありません。そのため、大腸ポリープがあることに気付かずに放置してしまい、知らぬ間にがん化してしまうということが多いと言われています。

更に、大腸がんも自覚症状が出るまでに時間がかかるため、自分で症状を感じる頃にはすでにかなり進行しているという場合が多いのです。このことから、大腸ポリープや大腸がんを早期発見し、適切な治療を行うことがいかに重要であるかが分かるでしょう。特にポリープは便鮮血検査やレントゲンなどでは発見しにくく、直接内臓を観察できる内視鏡検査がもっとも有効的と言われています。

次に胃についてですが 、胃がんについても大腸がんと同じく、胃ポリープががん化する恐れがあります。更に、初期段階では自覚症状を感じることが少なく、症状が現れて慌てて受診する頃にはかなりがんが進行していることが多いのです。早期発見・治療のためには、やはり胃内視鏡検査がとても効果的な検査となります。

これまで見てきたように、いずれも早期発見・早期治療がなにより大事です。そのために最も効果的なのは、便潜血検査やバリウム・レントゲンなどより病変の発見が可能な、内視鏡検査であると言えるのです。

内視鏡検査ってどんなもの〜大腸編〜

内視鏡検査は一般的に、痛い・苦しい・辛い・怖い、などと思われがちなので、どうしても検査から足が遠のいてしまう方が多いのが現状です。しかし、正確な情報と正しい知識を持ってすれば、その恐怖心も少し和らいで、受けてみようかなと言う気持ちになるのではないでしょうか。そこでここでは、内視鏡検査とはどのようなものかについて詳しく見ていきましょう。

まず大腸内視鏡検査について確認していきます。大腸は長く曲がりくねっているため、大腸内視鏡検査には医師の高い技量が求められます、更に、検査を受ける患者側も、お尻から管を入れるということへの抵抗感と違和感から余分な力が体に入ってしまいがちで、余計に困難な検査になってしまうことが少なくありません。

しかし、検査器具も日々進化しており、スコープと呼ばれる管が従来のものより柔らかく体に挿入しやすく改良されているなど、検査時の痛みをできるだけ軽減させるべく研究・開発が進められています。痛みに弱い方は、少量の鎮痛剤を用いてリラックスした状態で検査を受けることも可能です。また、検査時間にしても10分程度と比較的短い時間で済むため、さほどの負担にはなりません。

ただ、事前の準備が多少必要となります。検査にあたって腸の中をすべてきれいにしておかなければならないため、前日夜遅くからと当日朝の食事は禁止。更に、前日夜に下剤を服用のうえ、検査当日は2リットルの腸洗浄液を約2時間半かけて飲み、腸内をからっぽにします。当日行なう腸内洗浄については、自宅で行なうか病院で行なうかの選択が可能なので、検査を受ける病院にあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

内視鏡検査ってどんなもの〜胃カメラ編〜

次に胃内視鏡検査について見ていきましょう。いわゆる胃カメラと呼ばれるものですが、胃のみならず、スコープが通過する食道や十二指腸の病気も発見することができます。かつては、バリウムを用いた胃造影検査が主流で、この検査で何かしらの異常が発見された場合に、胃カメラを飲むことがほとんどでした。しかし、内視鏡検査は胃造影検査の約3倍の胃がん発見率にもおよぶことから、近年では会社等の集団検診でも最初から胃カメラを用いて検査が行なわれるほど普及しています。胃カメラはスコープを口から挿入する方法、鼻から挿入する方法の2通りのやり方があります。

口からの場合、のどに麻酔スプレーをしてからスコープを飲み込むため、スコープを飲み込む際に「ゲッ」というような嘔吐反射は多少あるものの、痛みは伴いません。のどを通過してしまえば、その後は比較的スムーズに終わります。しかし、この嘔吐反射が強くてどうしても辛いという方には、前述したように鼻からスコープを挿入する経鼻内視鏡検査方法も選択することができます。

こちらも、あらかじめ鼻の中に麻酔をし、鼻腔を広げる処置をしてから行います。ただし、鼻腔が狭くて管が入らないような場合には、口からの挿入しかできないので要注意です。病院によっては麻酔で完全に眠らせた状態にした後検査を行なう場合もあるので、自分の希望にあった病院をよく探してみると良いかもしれません。

検査は、いずれも通常20分から30分程度で終わります。事前準備としては、前日遅くの食事と当日朝の食事を禁止されている程度なので、大腸内視鏡検査よりは準備が少なく済みますね。

内視鏡検査で何が分かるのか

大腸内視鏡検査では、がんや、その初期段階にあたるポリープを発見するための検査と思われがちですが、その他にも様々な病気を早期に発見・治療することができます。例えば、未だ原因不明の潰瘍性大腸炎やクローン病、下痢や便秘などの症状から内視鏡検査を受け発見に至る直腸炎・過敏性腸症候群・アメーバー赤痢など様々なものがあります。
これらはいずれも、自覚症状の有無や完治までの期間に相違はあるものの、早期に発見・治療を開始することが病気を治すキーポイントとなるので、いかに早くに検査を受けるが重要です。

また、胃内視鏡検査についても同様であり、胃がんの早期発見・治療に効果的なだけではなく、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎や胃がんの原因にもなるピロリ菌を発見することが可能です。そしてこれらも、早期発見と治療がとても重要なポイントとなるので、定期的に内視鏡検査を受けることをオススメします。

更に、内視鏡検査の良い点がもうひとつあります。それは、病気を発見することができるだけではなく、早期のがんや良性腫瘍などはその場で切除できるなど、検査と病気の発見・治療を同時に行えることです。この場合、時間は少し長めにかかるものの、日帰りで手術が可能となるので、患者にとって肉体的・精神的な負担が軽く済みます。

最後に

大腸と胃について見てきましたが、いずれも内視鏡検査だからこそ発見できる病気が数多くあることが分かります。内視鏡検査がいかに優れていて重要なものかが実感頂けたのでないでしょうか。

内視鏡検査は、内臓の中を直接目で見て確認することで、病変をいち早く確認できる唯一の検査手段です。これはどんな病気でも言えることではありますが、自覚症状が現れる前に早期発見・早期治療することが、病気の影響を最小限に抑え、進行を防ぐ最も効果的な方法であり、それを手助けするのが内視鏡検査と言えます。

内視鏡検査は辛くて大変というイメージがいまだ多くの人につきまとっていますが、検査技術や器具の進歩により負担はどんどん低減されています。自分の健康は自分で守るべく、この機会に内視鏡検査を受けてみてはいかがでしょうか。