『大腸内視鏡検査』痛くない!辛くない!医院が行っている工夫4点

大腸内視鏡検査は、大腸がんや大腸ポリープをはじめとする、様々な疾病の早期発見に役立つ検査です。とはいえ、肛門からスコープのついた管を挿入して行う検査なので、初めて受ける方には不安の大きい検査とも言えるでしょう。ネットで口コミを見ていると、「痛い」「辛い」といったネガティブな書き込みが散見されるのも事実です。

大腸内視鏡検査を行っている医院やクリニックは多数ありますが、特に患者からの評判の良い医療機関では、患者にできるだけ負担を感じさせないように様々な工夫をしています。この記事では、評判の良い医療機関で取り入れている最新の設備や技術、患者に対する配慮について詳しく紹介していきます。

事前処置が辛くない

大腸内視鏡は、大腸内にスコープを入れて大腸内側の状態を直接観察する検査です。当然、大腸内に便が残った状態では検査を行うことができないので、検査前に大腸内の便を全て排出し、何もないきれいな状態にしておく必要があります。

そのため、従来は前処置として2~3Lもの下剤を飲む必要があり、腹痛や下痢の不快感に耐えなければならないケースが珍しくありませんでした。

口コミ評判の良いクリニックでは、患者それぞれの体格や体質にあわせて下剤の量を調整してくれて、無駄な下剤を摂取しなくて良いように配慮してくれるところがあります。また、下剤を飲んだ後の時間をできるだけストレスなく過ごせるように、トイレ付きの個室が用意されていたり、病院ではなく自宅で前処置を行えるようにしてくれたりする医療機関もあります。

更に、最近では「内視鏡的洗浄液注入法」という方法で、下剤を飲むことなく大腸内視鏡を行えるクリニックも増えています。これは、鎮静剤で眠っている間に内視鏡で直接大腸に下剤を投与し、排便を済ませる方法です。苦痛を感じることなく前処置を終えられるという大きなメリットがあり、体験した患者からは好評を博していますが、同日に胃カメラを受けなければいけないというデメリッもあります。とはいえ、胃カメラもしておいて損があるものではないので、場合によってはデメリットと言い切る必要もないことでしょう。

前処置の苦痛を和らげる方法は様々です。自分にとって何が一番負担になるのか、よく考えてから選択するようにしてください。

「水浸法」で内視鏡の挿入が痛くない

大腸内視鏡検査と聞くと、どうしても「痛そう」「不快感がありそう」というイメージをもってしまうのはしょうがないことです。実際に、従来の大腸内視鏡検査では、大量の空気を入れて腸を膨らませてスコープを押し込むことで、腸が伸ばされたりねじれたりしてしまい、痛みが発生することが少なくありませんでした。

そうした痛みを解消すべく、患者への負担が少ない「水浸法」を取り入れた大腸内視鏡検査を行う医療機関が増えており、口コミでも高評価を得ています。水浸法とは、大腸内視鏡のスコープを進める際に少量の水を入れて腸を膨らませる方法です。水を入れて吸ってを繰り返しながらスコープを進めていくので、注入する水の総量も100~200ml程度で済み、無理に腸を伸ばしたり引っ張ったりという動きが発生しないので、痛みも不快感もないまま快適に検査が進められます。

また、腸の中に水があることで浮力が働き、スコープの滑りが良くなってスムーズに進めることができるので、腸内の粘膜と摩擦を起こしたり、強い力で押し込まなければいけなくなったりする心配も無用です。腸壁にスコープが当たってしまうようなトラブルを防ぐこともできるので、安心して安全に検査を終えることができます。

更に、水浸法を取り入れていないクリニックでも言えることですが、スコープの形状や長さは様々なバリエーションがあるので、できるだけその人の腸の形や太さにあわせたものを使用して検査を行ってくれるところは、痛みが少ないと好評です。

お腹が張ったり苦しくなったりしない

大腸内視鏡の検査を終えた後も、しばらくの間腹痛があったり、お腹が張って辛かったりという思いをすることがあります。これは、大腸内に空気を注入することが原因です。検査後にできるだけ空気を抜く処置はするものの、完全に抜ききることは難しく、どうしても残ってしまうことが多いのです。これによって、数時間から数日にわたって腹痛があったり、おなかの張りがひどくて苦しい思いをしたりすることが珍しくありません。十分に休む時間があれば良いですが、翌日以降に仕事などの予定が入っている場合には非常に困りますよね。

前項で紹介した水浸法を使用した検査なら、検査後におなかが張ったり、腹痛を覚えたりすることはほぼないと言っていいでしょう。また、二酸化炭素(CO2)を用いた方法も、検査後の苦痛が軽減するとして人気の方法です。炭酸ガス装置を使用し、空気の代わりに二酸化炭素を注入して検査を行いますが、二酸化炭素は空気よりも速いスピードで体内に吸収されるので、検査後におなかの中に残り続けることがありません。炭酸飲料を飲んだ時をイメージするとわかりやすいでしょう。実際に炭酸ガスを用いた大腸内視鏡検査を受けた患者の大半が、検査後も苦痛や不快感なく過ごせたという感想を持っているようです。

炭酸ガス装置は保険請求ができないため、大腸内視鏡検査で用いる場合には基本的に医療機関側の負担となります。よって、炭酸ガス装置を導入している医療機関は、利益よりも患者の気持ちを優先した医療を行っていると判断することができるでしょう。

技術や心配りが優れている

大腸内視鏡検査は、肛門から管を注入するものなので、「怖い」「恥ずかしい」という気持ちがぬぐえずに躊躇する人も多い検査です。前述したような最新の技術や器具を取り入れている医療機関でも、結局のところ、医師の技術が十分でなければ、安心して検査を受けることは不可能でしょう。

医師の技術レベルを測るには、まず医師の経歴を確認することをおすすめします。どこの大学を出てどこの病院で経験があるのか、専門医認定はされているのかなど、安心して任せられる経験があるのかどうかをしっかり確認してください。また、そのクリニックが過去に大腸内視鏡検査を行った経験がどのくらいあるのかということも、有用な判断材料になります。クリニックのHP上で具体的に検査数を公表している場合は、経験が豊富な上に、検査技術についても自信を持っていると判断することができるので、安心して検査を受けることができそうです。

更に大事なのが、医師や看護師を含めた医療スタッフの気配りが行き届いていることです。前処置や検査後にゆっくりと休むことのできる個室が用意されている、検査時にはできるだけ立ち会うスタッフの数を制限するなどの配慮があると、恐怖や羞恥心が少し和らぐのではないでしょうか。検査に強い恐怖心がある場合は、鎮静剤などを用いてくれる医療機関もあります。

何より、患者が不安なこと・不明なことがあった時に、躊躇せずに聞きやすい雰囲気を作っているクリニックや医院は、自ずと評判も良いものです。ネットの口コミをなどを活用して、医院の雰囲気についても事前に確認しておくと、安心して受診できるでしょう。

最後に

大腸内視鏡検査は、病気の早期発見や治療に役立つだけでなく、健康管理の面でも非常に有益な検査です。しかし、検査の特性上どうしても「怖い」「痛い」「恥ずかしい」といったイメージがつきまとってしまい、受けるまでに勇気がいるものでもあります。

口コミ評判の良い医療機関では、こうしたネガティブなイメージを払拭すべく、患者が快適に検査を受けられるような最新技術や機器の導入をしたり、メンタル面での気配りを徹底したりと、患者の気持ちに寄り添った対応をしてくれます。ぜひ、安心して大腸内視鏡検査が受けられるクリニックや医院を探してみてください。