【大腸内視鏡検査の前日】食事はOK?5分でわかる簡単まとめ

「今度、大腸内視鏡検査受けることになった!」
「前日は何も食べちゃいけないってホント?」

といった疑問をお持ちの方へ。大腸内視鏡検査というのはあまり頻繁に受けるものではありませんが、それだけに検査の際には十分な準備を整えて臨みたいものです。

大腸内視鏡検査では肛門から先端にカメラの付いた管を入れていきますが、このときに大腸内に食べ物(便)が詰まっていたのでは腸壁を詳しく観察することができません。ですから検査の前は食事を制限することが大切になってきます。
ただ、制限といっても丸一日絶食するといったハードなものではないので、それほど緊張する必要はありません。

この記事では大腸内視鏡検査の前にどんな食事をしたらいいのかについて詳しく見ていきましょう。

大腸内視鏡検査の前日

大腸内視鏡検査というのは急に血便が出て救急病院でやってもらうなどの緊急時ではない限り、あらかじめ医師と相談して前もってスケジュールを立ててから行うのが普通です。ですから検査を受ける前の日にはゆとりを持って準備をすることができます。

食事は夕食を抜きに

大腸内視鏡検査の当日はもちろん食事はできませんが、前日は検査に備えて食事の仕方に気をつけるようにします。気をつけるといっても特別な食事をする必要はなく、夕食を抜きにするだけというものです。お茶などの水分は夕食の時間に摂取してもかまいません。これを実践するだけで翌日の大腸内視鏡検査がかなりやりやすくなります。

「夕食を抜くとお腹が空いて眠れない、辛くてどうしても実践できない!」というのであれば、朝昼晩三食をきちんと食べ、その代わりに間食を一切しない食事法でも大丈夫です。もちろん夕食の後の夜食は厳禁です。(※クリニックによっては具体的に食べてはいけないもの等があるので、医師の指示を優先してください。

検査前日の食事に関する制限はこれだけですから、特に無理をしなくても準備を整えることができると思います。

処方された下剤を飲む

大腸内視鏡検査の日程が決まると医師から前日に飲む下剤を処方されますから、夕食を摂らない人は夕食時から、夕食を摂った場合にはその2時間後から飲み始めます。下剤が飲みにくいという人も多いようですが、このポイントを怠けないでしっかりと抑えておけば翌日の検査がスムーズに行くことを忘れないでください。

「検査前日に仕事の関係で飲み会や会合が入ってしまった!」という場合には、病院に連絡をして検査日を変えてもらいましょう。無理をして検査を強行しても腸内を効率よく診ることができない可能性があります。

検査前日の食事の注意点

私たちが口にする食べ物というのは、食道から胃を通って小腸で細かく分解された後に大腸へと送られていきます。食べ物が胃の中にとどまる時間は1~4時間、小腸内で消化吸収に費やされる時間は3~6時間、そして大腸にとどまる時間は8~10時間前後です。つまり、最長でも丸一日程度で食べたものは消化され、排泄されるということになります。

大腸内視鏡検査の前日と当日にはさらに下剤を飲んで腸内の清浄を促進させますから、検査前日は食事時間と献立に気を配るだけで検査を受ける体勢が整うというわけです。

できるだけ食べないようにしたいもの

・繊維の豊富な野菜類(特にゴボウやキノコ、タケノコ、オクラ)
・フルーツ(特に細かいタネのあるもの)
・玄米
・乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)
・ミルク入りコーヒー
・脂の多いもの(揚げ物・バター・脂肪の多いお肉など)
・辛いもの

 

検査を受ける前にできるだけ食べないようにしたいのは「食物繊維」です。食物繊維は腸内環境を整える働きがありますが、腸内に長くとどまる傾向がありますので、検査前日の食事としては不向きです。

したがって、繊維の豊富な野菜類・フルーツは避けたいです。ですから前日の朝食としてはコーヒーとパンだけといった炭水化物中心の食事がおすすめです。日ごろ、朝食にフルーツやサラダをたっぷりと食べる習慣のある人は、検査前日だけはメニューを変えるようにしてください。

野菜に関しては全く食べないというのではなく、少量を蒸したり茹でたりしてゆっくりと噛んで食べるのはかまいません。ただし繊維の多いゴボウやキノコ、タケノコ、オクラなどは検査前日だけはやめておきましょう。野菜でおすすめなのは繊維の比較的少ないじゃがいもや里芋、トマト、キャベツ、かぼちゃ、ブロッコリーなどです。

フルーツは、中でもキウイやイチゴなど、細かい種を一緒に食べるタイプのフルーツは特に避けるようにしたいものです。キウイやイチゴのようにつぶつぶの種が含まれていると、この種が腸内に長く留まってなかなか外に出てくれません。「ジュースにすれば消化がいいのでは」と考える人もいるようですが、ジュースにしても細かいつぶつぶはそのままの形で残りますので、消化が悪いという点では同じことです。ゴマやケシの実も同様に消化に時間がかかりますから、これらの入ったパンなどもやめておくことをおすすめします。

玄米も身体にはいいのですが、どうしても消化に時間がかかってしまうので日ごろ玄米食を実践している人は検査前日だけは白米にしておきます。

パンにしても全粒粉のものではなく精製された白いパンが適しています。パンにジャムを付けて食べる習慣のある人は、つぶつぶのあるイチゴジャムではなくてピーチジャムなどにするとベターでしょう。

また、乳製品は腸の働きを活発にする作用があります。牛乳を飲んでお腹がごろごろする現象は、このためです。また、腸内が白く濁ることもあるので避けたいです。

ちなみにコーヒーは刺激物というイメージが強いため、検査前日は控えたほうがいいのではと考える人も多いようですが、ミルクを入れないでブラックで飲む分には問題はありません。

バターや揚げ物、脂肪分の多いお肉などもできるだけ避けるほうがいいでしょう。私たちの腸は家に例えてみれば排水管のようなものですから、脂肪や油分がこってりとしたものを食べると翌日は腸内も脂で汚れた状態になります。ですからあっさりとしたうどんや白米に蒸し魚、あるいは煮魚などの献立が理想的です。
ただしうどんを食べる際には薬味は入れないようにします。七味トウガラシなど辛いものも腸を不必要に刺激してしまうので、この日だけはやめておきたいものです。

検査前日のその他の注意点

検査前日はアルコールもやめておくことをおすすめします。

毎晩、晩酌をしながら夕食をするのが楽しみという人は多いものですが、アルコールには以下の二つの働きがあります。

腸の動きを活発にさせる働き→検査中に鮮明な静止画像がうまく撮れない可能性
血管を拡張させる作用→出血しやすくなる
また、検査前日の夕食は抜くのが望ましいのですが、夜8時までなら食べてもそれほどさしつかえはありません。夜8時を過ぎたら夜食や間食は一切やめて早めに就寝することで翌日の検査がしのぎやすくなります。8時以降でも水とお茶は飲んでもかまいませんが、ジュースやスポーツドリンクなどはNGです。

検査当日は当然のことですが、朝食を食べてはいけません。水は少量なら飲んでもかまいません。毎朝血圧の薬を飲んでいるというような人は、当日検査前に飲んでもいいかどうか、あらかじめ担当医師に相談しておきましょう。

最後に

大腸内視鏡検査では検査前夜と当日に2リットル以上の下剤を飲むことになるわけですが、「どうせ下剤を飲むのだから前日は何を食べても平気だろう」と思うのは大きな間違いです。ひじきやゴボウなどをいつも通り食べて検査に臨んでも、腸内に残留物が多くて正しく観察できないこともありますので、必ず検査に関する注意書きをよく読んで「検査しやすい環境」で病院に行きましょう。

特に便秘がひどくてお通じが数日おきにしかない人は、検査前日だけではなく3日ぐらい前から消化のいい献立にしておくと身体も楽ですし下剤の効果も上がります。

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