【早期発見が命】大腸がんには大腸内視鏡検査を!気になるまとめ4つ

大腸は、人間の消化器系内臓の末端を位置する臓器で、小腸からつながる盲腸から始まり、結腸、直腸、そして最後に肛門までの器官を言います。日本人の大腸の平均的な長さは1.5mと言われています。大腸に起こる疾患で有名なものは、O-157を代表とする細菌による腸炎や、盲腸炎、過敏性腸症候群、クローン病など、そして大腸がんがあります。日本での大腸がんは近年増えていて、自覚症状がひどくないことから発見が遅れるケースも多いとされています。大腸の検査として、手軽なのは便潜血検査ですが、より精度を高めた検査をするには大腸内視鏡検査が効果的です。がんの早期発見にもつながる検査と言われています。

内視鏡検査でガンの早期発見ができるのか?

大腸の内視鏡検査は、肛門から内視鏡を差し込み、一番奥の盲腸まで挿入し、大腸すべてを内視鏡によってくまなくチェックします。大腸の中の様子は、モニターに映し出されるようになっていて、医師により、大腸内の異常がないかが確認できます。

内視鏡検査の優れているところは、大腸内のカメラで映し出される映像を、拡大してみることが出来る点です。大腸は、長さ約1.5mもの細長い臓器で、ところどころ湾曲していますし、人により長さや形もさまざまです。内視鏡により、見えにくい場所にカメラを当てることが可能ですし、小さな病変は拡大して確認できます。また、気になる箇所は、微量の粘膜を採取し、改めて顕微鏡などによる病理検査を行うことも可能です。

明らかにポリープとわかる突起は、レントゲンなど外部からの診察でも発見可能ですが、見えづらい部分の異変や小さく突起のないポリープなどは、内視鏡検査でなければ、確認ができません。初期のガンは、線種と言われる良性のポリープから変わることも多いと言われているため、線種が確認された大腸は、その後の定期的な検査をこころがけるべきです。

こういったさまざまなポリープも、内視鏡検査であれば発見が可能です。悪性ではなく良性のポリープが確認されても、安心せずにそれをきっかけに後々注意を払うべきと言えるでしょう。

そして悪性の腫瘍、ガンが見つかった場合は、ただちに治療を開始することができます。もちろん詳細な検査は必要ですが、検査の段階でガンを見つけることができるのも内視鏡検査の強みと言えるでしょう。現在のところ、大腸ガンの早期発見に一番有効な検査は、大腸内視鏡検査と言われています。

他の検査よりも優れているわけは?

大腸ガンの早期発見のために、選択できる検査はいくつかあります。一番身近なのは便潜血検査で、排便内に出血があるかないかを確認します。学校や会社、地域などでの定期健診にも組み込まれているなじみのある検査と言えるでしょう。しかし、この検査では、大腸内で出血があるか・出血を伴う異常かあるか、といったことしか明確に確認できません。

ほとんどの大腸ガンは、出血を伴うことが多いため、初期段階の検査としては、手軽なこともあり、大変有益ではあります。しかし、細かな腸の状態をこの検査だけで確認するのことは難しいです。ガンの中には、特に初期のガンなどは出血が見られないといった場合もありますので、ガンの確実な早期発見となると厳しいかもしれません。

大腸の内部をレントゲン写真で確認できる大腸CT検査があります。バリウムと空気、またはガスなど肛門から入れて、X線によって大腸全体を撮影し、腸内部の異常やポリープを発見できます。大腸内視鏡検査ほどの苦痛や体への負担が少ないことから、内視鏡検査よりも不安なく試すことができる検査です。

大腸CT検査では、腸内の明らかに突起していたり、変形していたりするガンやポリープを発見することは可能ですが、小さなガンや突起のないポリープは、発見することが難しいです。最近では3D撮影が主流で、より鮮明なレントゲン写真が可能となってきています。

他に、肛門から指による触診で腸内の異常を確認する直腸診検査や、内視鏡のついたカプセルを飲み込む検査、全身のガン細胞をチェックするPET検査などがありますが、現時点では内視鏡検査がガンの早期発見には一番確実と言われています。

大腸ガンの早期発見の必要性

大腸ガンは、早期発見が可能なガンの一つと言われています。大腸にはポリープといわれる突起ができやすく、お腹や便に不調を感じると大腸のポリープができていることが少なくありません。ポリープと呼ばれるものは、良性の腫瘍がほとんどで「腺腫」とも言われます。

腺腫はガンではありませんが、この先ガンに代わる可能性はないとは言えません。良性のポリープであっても、大きいサイズの物には部分的にガンの病変が含まれていることもあります。従って、ポリープが発見された場合、良性であっても切除することが適切な処置と言われています。

大腸ガンは、ガンの種類にもよりますが、比較的進行が遅く、40代以降で罹患しやすいと言われています。こういったことからも、40代に入ったら、定期的に内視鏡検査を受診すれば、万が一大腸ガンが見つかった場合でも、初期の段階での発見がしやすいです。

しかし、内視鏡検査をためらったり、便潜血検査で出血が確認されてもそのままにしていたりすれば、ガン細胞はどんどん進行します。また、小さなポリープであっても切除しなかったり、その後の定期的な検診も続けなかったりすれば、ポリープからガンに進行してしまうかもしれません。

大腸ガンは、自覚症状があまり感じられないため、ちょっとした排便の異常程度だと、そのまま放置してしまいがちです。鹿地方地が続くと、どんどんガンは広がり、大腸に近い肝臓に転移してしまったり、リンパに転移すれば全身にまわってしまったりすることもあります。大腸内視鏡検査であれば、小さなポリープもガンの病変と疑われる細胞も見つけることができ、ガンかどうかを確認することができます。

大腸内視鏡検査のデメリット

大腸の検査としては、今最も信頼できると言われる内視鏡検査ですが、やはりデメリットと言われる点もいくつかあります。一番懸念されるのが、やはり痛みや苦痛を伴うのではないかということ、そして、恥ずかしさから遠慮したいと思う人も少なからずいるでしょう。たしかに、小型といえどもカメラを肛門から入れ、長さ約1.5mもの体内を長い管が入り込むと考えると、ためらう人もいますよね。

内視鏡検査=痛い、と連想されがちですが、現在では技術や施術方法も改良されてきていて、痛みはできるだけ少なく抑えられていることが多いです。また、施術前に鎮静剤や鎮痙剤を使うところがほとんどです。

羞恥心を解消するには、これはあくまでも検査であって、専門の医師によるものだと自分に言い聞かせることです。特に女性は恥ずかしいと思いがちですが、現在は女医さんが対応したり、女性専用をうたったりする病院も増えてきているので、それほど心配せずに挑めるでしょう。

前日からの絶食や、腸内をからっぽにするために服用する下剤や腸管洗浄なども、けっして簡単なことではないので、前準備からそれなりに体に負担がかかることもデメリットの一つでしょう。更に、便潜血検査などと比べると、内視鏡検査をするための費用は高額となります。

しかし、ガンの初期段階を見逃し、万が一ガンが進行してしまった時の治療費等を考えると、内視鏡検査の費用のほうがずっと安くすみます。内視鏡検査はガンを早期に発見したり、予防したりするのに有効な検査なので、年に一度か二度の定期的な検診を受ければ健康に安心して過ごせると思えば、決して高い出費ではないでしょう。

最後に

痛みを恐れたり、恥ずかしい気持ちがあったりして、なかなか実行へと踏み切れない大腸の内視鏡検査ですが、健康に暮らすために必要不可欠な検査です。大腸ガンは誰でもなりうる可能性があります。そして、手遅れになれば死亡する恐ろしいガンです。ガンは早期発見すればするほど、生存率もぐんとあがりますし、治療も困難にならずに済みます。ガンの発見には、内視鏡検査が最も有効な手段と言われています。気になる症状が現れたら、早めに内視鏡検査をすることをおすすめします。ガン以外の様々な病気の発見にも威力を発揮しますので、お腹の異常を感じたら、躊躇せずに内視鏡検査を試してみてください。