便潜血検査が陽性に!痛いってホント?30代で始める大腸内視鏡検査!

お酒・たばこ・運動不足・乱れた生活習慣・・・自身の生活の中で思い当たるものはありますか?

現代社会には、遺伝子が異常を起こすきっかけ、つまり「がん」になる要因がいくつも存在します。
とはいえ「自分はまだ30代だし・・・」と思っている方も多いでしょう。しかし、30代の大腸がんの患者はもちろん0ではありません。また、大腸がん以外の大腸の病気ももちろん存在します。

この記事では30代が大腸がんになるリスクや、大腸内視鏡検査はなぜ受けるべきなのか検査についてをお話ししようと思います。ぜひ最後までお読みいただき、がんの早期発見に努めましょう!

30代が大腸がんにかかるリスク

がんの死亡者数 第2位:大腸がん

日本の3大死因のうちの1つである「がん」による死亡者数は、2017年では373,334人。そしてかつては胃がんで亡くなる人が多かったのですが、現在は胃がんの死亡者数は減少し、大腸がんの死亡者数が増えています。2017年の死亡者数は、肺がんに続き第2位でした(胃がんは第3位)。男女別で死亡率を見てみると、以下の表のようになります。

1位 2位 3位
男性 大腸
女性 大腸

このように大腸がんは、女性の死亡率が高い病気としても知られています。
そして罹患率(かかった割合)は、大腸がんが第1位でした(2014年, 全国推計値)。以下のグラフを見ると、大腸がんの患者がこの20~30年で大幅に増えていることがわかるでしょう。

(参考)国立がん研究センター がん情報サービス グラフデータベース

食生活の欧米化が大腸がんの原因に…

大腸がん発症の一因として挙げられるのが、「食生活の欧米化が進んだこと」です。なぜ欧米型の食生活がいけないのでしょうか?理由は大まかに2つに分けられます。

  • 肉類を中心とした動物性たんぱく質・脂肪を多く摂取→腸内細菌が有害物質を発生させ、がんの発症を促す
  • 食物繊維の不足→便の停滞時間が長くなって、発がん物質が体内に残りやすくなった

他にも、お酒たばこはがんの発生と密接な関係にあり、日本医師会によると喫煙者は非喫煙者のおよそ1.5倍もがんになりやすいのです。また、大量の飲酒は、大腸がんにかかる大きなリスクがあると言われています。そのうえ、食生活の欧米化に伴って高脂肪や高カロリーの食生活は日常となっている人も多いはずですが、肥満体型も大腸がんの発生に関わってくるのです。

女性はスイーツやグルメなど、おいしいものを追い求める傾向が、男性よりも高い傾向にあります。その結果、腸内環境のバランスが崩れ、大腸がんになるリスクが高まるというわけです。最近では便秘を改善し、腸内環境を向上させるために、さまざまなサプリメントやヨーグルトなどの乳製品が多く販売されています。ただし、これも毎日、継続することが必要です。

このように、40代以降に多く見られたかつてのがんですが、今はたとえ30代であっても、大腸がんになってしまうリスクは間違いなくあるのです。

大腸がんってどんな病気?

大腸がんの発症の仕方は、以下の2つがあります。

  • 良性のポリープ(腺腫)ががん化する
  • 粘膜に直接がん(悪性腫瘍)が発生する

大腸がんは検診や人間ドッグで見つかることの多い疾患です。ステージⅠの早い段階ですと、内視鏡治療で切除することが可能ですが、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。
徐々にがんが大きくなっていくと「血便」「便秘異常」「下血」などが顕著になっていきます。
更に進行してしまうと、便やガスが腸内にたまって「腸閉塞」を起こしてしまうことも最悪の場合にはあるのです。

つまり、自覚症状が出ているときには、大腸がんそのものが進行している可能性が高いのです。また、痔などの症状と似ているため大腸がんであることに気づかず放置してしまう方もいます。そのため、気になったら迷わず「大腸内視鏡検査」を受けるべきなのです。

そして大腸がんには細かく分けると2つの種類があります。それが直腸がん・結腸がんです。下の図は大腸を細かい部位に分けたものです。直腸がん・結腸がんはこの部位によって分かれます。

大腸がんに罹患する人のうち、およそ4割が直腸がん、2割がS状結腸がんと、大腸がんの6割は肛門に近いところにできています。これは直腸とS状結腸に固定便がたまることが多く、便との接触時間が長いために多くの刺激を受け、粘膜のがん化につながっていると考えられています。

大腸内視鏡検査はなぜ受けるべきか

まずは便潜血検査から!

大腸がんであるかどうか、30代で検査を受けることは、決して早すぎるということはないのです。たしかに30代で発症する確率は高くありませんが、ゼロというわけでもありません。普段の食生活もさることながら、「親が大腸がんになったことがある」という遺伝的要素だって十分に考えられます。

そこでまず登場するのが、「便潜血検査」です。血便か調べるために行う検査で、大腸がん診断等にも含まれています。ここで「要精検」と精密検査を勧められた場合受けるのが「大腸内視鏡検査」です。

大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を挿入します。内視鏡の先端部分には小型のCCDカメラがついており、これで撮影した画像はモニターに映し出され、異常がないか観察しながら進めます。

大腸内視鏡検査って痛い?

「大腸に内視鏡を入れるのって、痛かったり辛かったり…」と不安に思っている人もいるかもしれません。たしかに大腸はカーブが多い形状ですので、カメラのついた管を無理やり入れようとすると、腸が極端に伸びた状態になり、痛みが伴います。
ただ、熟練の技術を持った医師が検査を行えば、痛みが出ることなく、スムーズに行うことも可能です。さらに実際の内視鏡挿入時間は15~30分となるため、長い時間苦痛に耐えなければいけないこともありません。

それでも痛い、という方に向けて病院側も工夫をしています。例えば麻酔を使用したり、「水浸法」という少量の水を使いながら管を進めていくことで痛みを軽減させる方法もあります。
そして、腸に空気を挿入しながら検査を進めていくため、検査後はお腹の張りに苦しむ方も多いです。そのため、代わりに空気よりも吸収されやすい炭酸ガスを使用する病院もあります。
しかし病院によってどの方法を採用しているかは異なるため、それぞれ調べる必要はあります。

大腸内視鏡検査でわかること2つ

大腸内視鏡検査でわかることは以下の2つです。

  • 大腸ポリープの有無・種類
  • 炎症性腸疾患か否か

ポリープとは、粘膜が隆起してできたイボ状のできもののことです。ポリープは本記事の「1.3 大腸がんの特徴」でお話しした通り、「がんになりうる病変」ととらえていただいて構いません。
そして大腸ポリープには主に5種類に分かれます。

このうち、がんになりうる「腺腫」内視鏡検査の場でそのまま切除ができます。実際にポリープの段階で切除すると、大腸がんの発生率が著しく減少したというデータもあるほどです。このポリープの段階で発見、もしくは切除をすることは、大腸がんの可能性を下げる効果があるとみてよいでしょう。

ただし、ポリープの段階ではほとんど症状がないのも事実です。痛みや違和感などもなく、日常生活においてはまったく支障がないのもこの段階の特徴であると言っても過言ではありません。さらに、便に血が混じっているかどうかを見る「便潜血検査」においても、100%見つけることは不可能です。(ちなみに非腫瘍性ポリープの場合は、がん化する可能性は低いため経過観察になる場合が多いです。)

通常では「40歳以上」という年齢を一つの目安に、定期的に大腸内視鏡検査を受けていただくよう、病院側は勧めています。しかし、20代から30代の若年層には、「クローン病」「潰瘍性大腸炎」などの炎症性腸疾患(IBD)が増えています。これらは激しい腹痛等を引き起こす、原因不明の難病とされています。これらの病気を直接観察するのにも、大腸内視鏡検査はたいへん有効です。自分自身の腸内はどうなっているのかを確認するいい機会にもなるはずです。

まとめ

内視鏡による検査に対して、「年齢が若いからまだ早い」などと考えるのは早計です。どんなに健康な人でも、なんらかの理由で病気になることはあります。それが消化器系の病気で、大腸に異常をきたしている可能性があるとしたら、その時点で検査を受ければ、大腸にがんが見つかった――ということだって、十分に考えられるのです。

ただし、大腸がんは他の部位のがんに比べて、治りやすいと言われています。早期に発見することができれば、ほぼ100%、完治するがんなのです。ですから、30代のうちから大腸内の内視鏡検査を受けておくことは、プラスになるということは覚えておいて頂きたいです。ぜひ早いうちから検査に行ってみましょう!

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