そろそろ定年を迎えたり、仕事も一段落してくるこの時期。体に不調を感じることはありませんか?
特にお腹の不調を感じている方は、まずこの記事を読んでみてください。
日本人の死因第1位であるガンの中でも、大腸がんはかかりやすいガンはトップ3に入ります。しかしそんな大腸がんは自覚症状がほとんどありません。
それでは一体どうやって大腸がんを見つけられるのでしょうか?
大腸がんは治すことができるのかといった内容と共に、この記事では大腸がんと大腸内視鏡検査について説明していきたいと思います。今後の人生を満喫するには、健康第一です。ぜひ最後までお読みください!
目次
60代は大腸がんのリスクが高まる時期
日本では、戦後になってから年々、大腸がんの患者数が増えてきました。そしてこちらのグラフを見てください。
こちらは国立がん研究センターがん対策情報センターによる2014年の年齢階級別大腸がん罹患率です。年代別に見てみると、40代、50代と大腸がんに罹る割合が増えていき、やがて60代になったときに急増すると言われています。
大腸がんの病因として考えられるのが、ライフスタイルの影響です。がんの種類によっては、遺伝の要素が強いものもありますが、大腸がんについて言えば、遺伝よりもこちらの方が影響するといってもいいでしょう。肉やお酒などの食生活、運動不足、喫煙など考えられる原因は様々です。
しかし、大腸がんで亡くなる確率は、大腸がんに罹る人の半分と言われています。これは、大腸がんの生存率が高いことの証です。ただ、自覚症状がない分、早期で発見するのは難しく、発見したときには手遅れになっているというケースが多いのです。
ただし、60代の人で検査を受けている人は少なく、「お腹の具合のよくない状態が長く続くから」という理由や、「血便があったから」「便の出がよくない状態が続いて、腸に違和感がある」などという症状が出てから検査を希望するというパターンが多いのです。けれども、この状況で検査を受けたときには、がんの症状は進んでいることが多いです。そのため60代になったら積極的に検査を受けるべきなのです。
部位により異なる大腸がんのサイン
早期の大腸がんの場合ですと、自覚症状はほとんどありません。そのほとんどが、がん検診や人間ドックなどの便潜血検査で見つかります。また、進行した大腸がんは、腫瘍の大きさや存在部位によって、症状が違ってきます。ここではその症状を部位ごとに見ていきましょう。
大腸の右側に発生したがん→軽めの腹痛のみ
腸管の中(管腔)が広く、なおかつ内容物が液状のためにがんの症状が出にくいのです。万が一、症状が出たとしても、軽めの腹痛や腹部の違和感で終わってしまいます。その結果、腫瘍がかなり大きくなってから腹部にしこりが出てくるというケースが多くなります。
大腸の左側に出るがんの場合→血便など
右側よりは早い段階で便に血が混ざっていたり、血の塊が出てきます。また、管腔が狭いうえに、内容物も固くなっているために通過しにくくなります。それによって腹痛や、便秘と下痢を繰り返すなどの症状が現れてくるようになります。これをそのまま放っておくと、管腔が完全にふさがってしまい、便もガスも出なくなってしまいます。その結果、やがて腸閉塞を誘発してしまうというわけです。
直腸がんの場合→痔と間違えることも
大腸の左側に出てくるがんとほぼ同じ症状が出てきます。ただし、右側にできるがんと違って、困った事態が起こり得ます。それは、がんの箇所が肛門に近いため、ある日突然、お尻から出血があったときに痔と間違えられてしまう可能性があることです。そうなると、治療らしい治療をせず、放置されてしまうこともあります。
また、直腸がんは膀胱や子宮に近いため、それらの臓器までがんが浸潤してしまう可能性もあります。もしそれが現実のものとなってしまえば、排尿障害が起こることもありますし、腟から突然、便が出たりすることもあるのです。それだけに、大腸がんになってしまうと、想像もできないような怖い事態が訪れてしまうことがある、というわけです。
大腸がんをいち早く発見するには検査を
繰り返しますが、60歳以上の人は、大腸がんになるリスクが高まります。そこで、大腸がんを早期に見つけるためにも検査を受けることをオススメします。とはいっても検査は2段階あります。
第一段階:便潜血検査
まずは大腸がん検診を受けましょう。この中ではまず便の潜血検査を行います。これは便に血液が混じっていないかどうかをチェックする検査です。ここで何らかの異常が見つかると、それが大腸がんによるものなのか、あるいはそうではなく他の要因が考えられるのか、より検査を精密に行います。健康診断に含まれている場合もあります。
第二段階:大腸内視鏡検査
そして便潜血検査で陽性(要精検)となった方が受ける精密検査が、大腸内視鏡検査です。内視鏡は普段、よく見れない体の様子を、内視鏡の先端に小型撮像素子を介してモニターに映し出し、お医者さんが直接見ながら診察する検査のことです。この検査では、肛門から内視鏡を入れて、大腸全体をゆっくりと調べていきます。
60代ともなれば、一度は内視鏡検査を経験されたことがある人もいるかもしれません。そのときの印象は、「とにかく痛かった」「我慢しながら検査を受けていた」などと、あまりよい印象を抱いていない人もいらっしゃるかもしれません。けれども安心してください。今の内視鏡は性能が優れ、「大腸内に挿入しても、痛さを感じない内視鏡」というのも存在しています。また大腸内視鏡検査を専門としている病院ですと、技術も優れたお医者さんがいます。こうした病院を探し、検査を受けることで、安心して検査を受けることができるはずです。
最後に
40代より50代、50代より60代と、年齢が高くなっていくにつれ、大腸がんになるリスクが高まっていきます。とくに60代の人は、今はなんともない状態であっても、この先、何らかの大病を患う可能性はゼロではありません。特に大腸がんは症状が明らかになったときには、すでに手遅れの状態になっていた、なんてことも決して珍しくありません。でも早期発見することができれば、「大腸がんは治せます」。
今、60代の人はぜひ、大腸検査を受けて、自分の体の状態を把握することに努めてみてはいかがでしょうか。