大腸内視鏡検査は、先端にカメラが付いた細長い管を肛門から入れ、大腸の内側の状態を詳しく観察する検査です。この大腸内視鏡検査によって、大腸の中のポリープやがん、出血や炎症などを観察し、病気を見つけることができます。しかし・・・
大腸内視鏡検査ってどこで受ければいいんだろう?
医院によって違うことってあるの?
というような疑問を抱える方も少なくないと思います。
実際に病気の早期発見に役立つ大腸内視鏡検査は、現在多くの医院で取り入れられています。大腸内視鏡検査を受けようと思った時、たくさんの医院が見つかりますが、今後の治療方針に大きく関わってくる検査なので、医院選びが非常に重要になります。今回の記事では、大腸内視鏡検査の評判の良い医院の特徴についてぜひ押さえておいてほしい4つのことを紹介していきます。これらが、医院を決めるときのあなたのポイントになることでしょう。
目次
ポイント①医師のスキル
大腸内視鏡検査は肛門から細長い管をいれるため、「身体に負担のない楽な検査」というわけではありません。また検査前、検査後に処置も必要になるため、身体の負担を軽くしてくれることは、医院を選ぶ上で重視したい条件の一つになるかもしれません。
しかし、大腸内視鏡検査を楽に受けられるということだけにとらわれて医院の評判を確認するのは、おすすめできません。大腸内視鏡検査において、最も重要なのは病気を確実に見つけることです。したがって大腸内にある見つけにくいポリープや小さながん、稀な腫瘍や病気を的確に見つけて診断できるスキルの高い医師がいる医院を選ぶといいです。
それでは、スキルの高い医師とはどのような医師なのでしょうか?具体的に上げると以下のようになるかと思います。
- 検査の実施回数・実績が多い→名医として紹介
- 論文発表を行っている→日本消化器内視鏡学会指導医
そして、実績が多いと「名医」として紹介されていることも多いです。この場合は、テレビや雑誌、ラジオ等のメディアにも露出がある医師が多いです。
また、自分の行った大腸内視鏡検査の結果を検討し、次の大腸内視鏡検査での診断に役立てようとスキルアップを目指している医師は、論文などを学会で発表している場合があります。大腸内視鏡検査を行っている医院が積極的に論文発表を行っているかどうかを確認するのも、評判の良い医院を見極める際のポイントになるでしょう。
そして、判断材料として「日本消化器内視鏡学会指導医」かどうか、という観点があります。指導医は医師を指導する側なので、プロ中のプロといってもいいでしょう。指導医になるためには厳しい認定基準があり、学会に出席したり、講演を行ったり、論文を執筆したりといった条件があります。
その一段階下には「日本消化器内視鏡学会専門医」というものもあります。こちらも同様に学会への出席・講演・論文といった条件がありますが、指導医の方が認定基準が厳しくなっています。
ちなみに、日本消化器内視鏡学会から指導施設に認定されている病院やクリニックで選ぶのも早いです。認定基準は以下のもので、上の条件を満たしている医院は指導施設であることも多いです。
- 内視鏡室が設置されている
- 専門医の教育に必要な各種内視鏡機器を備えている
内視鏡・スコープの本数など:上部3本以上、下部2本以上
洗浄について:洗浄機1台以上 - 年間検査件数が充分である(年間検査件数:上部1,200以上、下部250以上)
- 常勤指導医1名以上かつ常勤専門医2名以上の3名以上が勤務する
- 十分な指導体制がとられている
- 内視鏡検査室専属のメディカルスタッフがいる
- 病理部門が独立して存在するか、または病理診断を依頼することのできる病理専門施設が定まっている
- 研修カリキュラムに基づく研修が可能である
こちらのページから、指導施設・指導連携施設の一覧に飛べます。
ポイント②前処置の選択
前処置を行う場所は?
大腸内視鏡検査は、肛門から管を入れて大腸内を観察するため、大腸内に便が入っていると検査を受けることができません。したがって、大腸内視鏡検査を受ける際は、検査前に「前処置」と呼ばれる処置を受け、大腸内をきれいにする必要があります。つまり、下剤や腸管洗浄剤を使って、大腸の中の便を出す必要があるのです。
一般的な前処置は、大腸内視鏡検査を受ける前日に下剤を服用し、検査を受ける日に腸管洗浄剤を服用します。この前処置は身体への負担があり、「大腸内視鏡検査で前処置が一番大変だった」という人も少なくありません。そんな大腸内視鏡検査のネックとなっている前処置ですが、評判の良い医院では前処置の負担を減らす対策がとられています。
自宅で服用
本来ならば、検査当日に病院で服用する腸管洗浄剤を自宅で服用することで負担を減らしている医院があります。腸管洗浄剤は服用後、激しい便意があるため医院での服用が心配になる方が少なくありません。そのような心配がストレスとなり、検査後の疲労に繋がってしまうこともあります。自宅の落ち着いた環境で腸管洗浄を行うことで、このような精神的な負担を取り除くことができます。
プライベートスペースの用意
腸管洗浄剤服用後に一人で過ごすスペースが確保されている医院があります。このような医院では、腸管洗浄剤服用後に他の患者さんの目を気にすることなく、リラックスした状態で腸内をきれいにすることができます。また、医師や看護師が確認しながら腸管洗浄剤を服用するので、状態によっては少ない量の腸管洗浄剤で前処置を終わらせることもできます。
腸管洗浄の方法は?
前処置は、大腸内視鏡検査で大腸を正確に判断するために重要な処置です。患者の生活リズムやニーズに合わせて、前処置の腸管洗浄方法を選択することができる医院は、評判が高い傾向にあります。先ほどは場所の問題でしたが、ここでは腸管洗浄の方法について紹介します。前処置の腸管洗浄剤の服用方法は大きく分けて「モビプレップ法」、「ニフレック法」、「ビジクリア法」、「ブラウン変法」の4つがあります。
方法 | 特徴 | |
モビプレップ法 | 検査当日:「モビプレップ」という腸管洗浄剤を服用 | 服用量が少なく、服用時間も短く済む
自宅か医院での服用かを選択可能 |
ニフレック法 | 検査前日:下剤を服用
→検査当日:「ニフレック」という腸管洗浄剤を服用 →洗浄度合により浣腸 |
モビプレップより服用量が多く、時間も少し長い
自宅か医院での服用かを選択可能 |
ビジクリア法 | 検査前日:下剤を服用
→検査当日:「ビジクリア錠」を服用 →浣腸 |
前処置に時間がかかるが、錠剤なので液体が飲みにくい人におすすめ
自宅か医院での前処置かを選択できる |
ブラウン変法 | 便になりにくい検査食・下剤を服用 | 腸管洗浄剤の服用がないが、他の方法よりも浣腸の回数が多くなってしまう
前々日からの準備が必要 |
他にも腸管洗浄の方法はありますが、患者のニーズに合わせた方法を選択することができる医院は「安心できる」と好評を博しているところが多いです。
一例ですが、こちらの松島クリニックでは上の方法を含む全13種類(院内・自宅合わせて)の方法がとられています。
〒220-0045 神奈川県横浜市西区伊勢町3-138
TEL:045(241)7311
診療時間:(平日・土)9:00~11:30/13:00~16:00(日・祝)休診
アクセス:京浜急行線「戸部」駅下車 徒歩5分
ポイント③検査後の対応
大腸内視鏡検査は人によってはどうしても緊張してしまい、検査後にどっと疲れが出てしまったという人もいます。したがって大腸内視鏡検査後にも、自分がリラックスした状態で過ごすことができる設備が整った医院を選ぶことが重要です。このように患者さんの不安を和らげてくれる配慮が行き届いた医院は、患者さんからの評判も高いものです。
大腸内視鏡検査では大腸内に空気を注入するため、検査後もお腹にガスが溜まった状態がしばらく続き、お腹の張りが気になることがあります。また、大腸内視鏡検査を行った際に安定剤などを使用した場合は、眠気やふらつきが現れる場合があります。したがって、大腸内視鏡検査後は約1時間安静に過ごす必要があります。
基本的には、リカバリー室(休憩室・安静室)が用意されています。そこで検査後にゆっくりと休息を取ることができるようになっています。この部屋が個室の医院は、評判が高い場合が多いです。個室でゆっくり休むことができれば、心身ともに検査の疲れを癒すことができ、早期に回復することができるでしょう。
ちなみに、お腹の張りがひどい場合は「まず右側を下にして横になり、次にうつ伏せになり、左側を下にし、最後に仰向けになる」というように身体を回転することでガスが抜けやすくなります。2分間で1回転するのを目安に体勢を変えながら、効率的にガスを抜いていきましょう。
また、眠気やふらつきがある場合にはまずはしっかり休むことが何よりの方法です。リラックスした状態で、身体から薬の影響がなくなるのを待ちましょう。帰りは車で迎えにきてもらったり、タクシーを利用したりして、安全に帰路につけるよう準備しておくことも重要です。
まとめ
大腸内視鏡検査は、大腸内を直接観察することができるので、病気の早期発見や今後の治療方針に繋がる重要な検査です。しかし、「検査前の下剤や腸管洗浄液の服用に不安がある」、「肛門から大腸内視鏡をいれるのがこわい」などと後ろ向きになってしまう人が少なくありません。
これから大腸内視鏡検査を受けようと考えている人は、今回紹介した大腸内視鏡検査を受けられる評判の良い医院の特徴を参考に、医院を選んでみてください。大腸内視鏡検査を受ける前に、安心して検査を受けられる医院を選ぶことで、不安を解消した状態で検査を受けることができるでしょう。