会社員のように規則正しい生活をしているわけではない自分が、大腸内視鏡検査を受ける時間などない――
こう考えている自営業のあなた、今すぐその考え方を改めましょう!なぜなら大腸内視鏡検査は「短い時間で、簡単に受けられる」からです。大腸内視鏡検査は昔に比べ、格段に技術が進歩しています。もちろん体への負担が少ないだけでなく、わずかな時間で終わるうえ、「今の自分の大腸の状態」が即座にわかるというのもメリットなのです。
この記事では、大腸内視鏡検査の検査について、時間や費用などもまるごと解説しています。ぜひ最後までお読みいただき、自営業の方でも今度でいいやと放置しておくのではなく、積極的に大腸内視鏡検査に行きましょう!
目次
不規則な仕事だけになかなか検査に行けない現実
自営業者とは会社に属さず、1人または少数で事業を営んでいる人のこと(法人化はしていない)を指します。つまり「毎日毎月の稼ぎは自分で何とかしなければならない」ため責任がともないます。一方で「稼いだ分は自分の売上や収入にすることができる」のも魅力の1つです。それだけに体が資本であり「自らの体調は自ら守らなくてはならない」というのもまた事実なのです。
ただ、すべての自営業者が体調を管理できているかと言えばそんなことはなく「体よりも仕事を優先する」という人だって決して珍しくはありません。休日はあってないようなものと自覚している自営業者はいますし、仕事内容によって毎月の収入は変動していきます。それだけに「病院に行って大腸の内視鏡検査を受けてみよう」などという発想にはいたらないというわけです。
それにこうした検査の類は「それだけで一日の時間がとられてしまってまったく仕事にならない」などと考えていらっしゃる人もいるようです。
本当はそうではないのはこの検査を知ることで理解できるようになりますが、実際にそこまで深く考えている自営業者の人は少ないはずです。自営業者の人たちは国民健康保険に加入されているはずです。そこで保険適用内の検査を受けることだってできますし、検査を受けることで今の自分の大腸の状態が一目瞭然で把握できるわけです。ですから、数多くの自営業者の人たちはこの大腸内視鏡検査についてもっと深く理解していただきたいと考えています。
大腸内視鏡検査を受ける手順について
大腸内視鏡検査は、検査前日に消化のしやすい食事を摂るところから始まります。以下は検査当日の流れです。まず朝7~9時の間に下剤を飲みます。腸内に残っている食べ物を排出するためです。その後、数回にわたって排便が起こります。
そして朝食は摂ってはいけません。食事は基本検査が終わるまでNGです。また、水分も水やお茶については飲むことができます。ただしスポーツ飲料は飲んではいけません。
そして病院へ到着したらいよいよ検査です。検査室へ入室後、検査を楽に受けていただくために、点滴から鎮静剤や鎮痛剤、大腸の動きを抑える薬などを投入してから検査開始です。まず肛門にゼリーを塗布した後、大腸内視鏡を挿入させます。万が一痔や排便によって肛門が痛いという場合には、すみやかに申し出るとよいでしょう。検査では大腸にポリープや腫瘍、炎症、その他の異常がないかを直接観察して進めていきます。3ミリ以下のごく小さなポリープや、大腸の組織の一部を必要に応じて採取して、さらに詳しく調べる「病理組織検査」を行っていく場合もあります。このとき痛みはないのでご安心ください。この間、時間は15分から長くても30分程度で終わります。患者のなかには「え、これで終わりですか?」と驚かれる人もいるようですが、実際に長時間病院に拘束されるようなことはありません。ただ、検査前に鎮静剤を使用しているので、病院によっては1時間ほど休息をとり、ふらつきがなくなって血圧が安定しているのを確認できたら帰宅できる状況となります。
市区町村によってさまざまな優遇制度がある
大腸内視鏡検査は当然のことながら保険診療となります。また費用についても大腸を診るだけなのか、あるいは組織を採取し、顕微鏡で調べる生検を行うかどうかで費用は変わってきます。さらにお住まいの市区町村によっては、がん検診の際の費用を補助する制度もあります。これはお住まいの市区町村によっても費用が変わってくるというわけです。
実はこうしたことをご存知の人は案外少ないものです。「そんな制度があったのならもっと昔から活用すればよかった」「どこでそんな情報が掲載されていたんだろう?」「こんな便利な制度があるなら利用しない手はないな」などと思われる人は多いのもまた事実なのです。なんだかもったいない話に聞こえませんか?大腸内視鏡検査を受けるにあたって「自営業者だから時間がない」「保険の適用がされないはずだから、受けたらとんでもない高額になる」なんてことは考えなくてもいいのです。
そして費用と同等に考えていたこととして「検査に痛みは生じないのか」という不安をお持ちの人もいるかもしれませんが、ご安心ください。今はさまざまな検査法が編み出され「痛み」に関する不安は依然と比べ格段に軽減されたといってもいいでしょう。裏を返せば大腸内視鏡検査は、10年20年前と比べ、大幅に進化してきたとも言えるのです。これらのことから、毎日慌ただしく過ごしている自営業者の人たちも積極的に大腸内視鏡検査を受けるべきではないかと、考えております。
今こそ、自営業者は検査を受けるべき!
このように大腸内視鏡検査そのものの時間は15~30分とそれほど多くとられませんし、仕事に差し支えるわけではないことがおわかりかと思います。それだけに「大腸がなんともない状態なのか、あるいは異変が起ころうとしているのか」を調べることは、決して難しいわけではありません。たしかに自営業者の場合、日々の生活費を稼ぐ、つまりできるだけ高い収入を得ることは容易なことではありません。それができなければ、家族を養っていかなければならない立場の場合ですと完全に路頭に迷ってしまいます。ただ、それ以上に大切なのは「日々の生活費を稼ぐための健康な体」です。とくに慌ただしい日々を送っていると、風邪を引いても病院に行かないという人だっているでしょうし、健康診断だっておろそかにしている人だっているはずです。そうした人ほど「体の細部までチェックしておくこと」は、非常に重要だと考えています。
たとえばこんなデータがあります。がんに罹患した自営業者の場合、およそ3割が「休業や廃業、あるいは仕事に従事していない状態にある」と答えています。
仕事への復帰は今の生活を維持するうえで大切なことですが、それ以上に「働くことが生きがいになる」という人だって、決して珍しくありません。そのために必要なのが「健康な体」であるというわけです。しかるべき検査をおろそかにして、10年20年と過ぎていったある日突然体に異変をきたしてしまったときになってはじめて調べたら、大腸がんだった――なんてことになったら、あなたはきっと「あのとき検査しておけばよかった」と後悔するはずです。そのようなことをなくすためにも、自営業者の人もこの検査を受けることをお勧めします。
ここまでご覧になっていただくと、自営業者の場合でも、容易に検査が受けられることがおわかりになったはずです。どんな職業の人も健康第一で仕事をされているはずですが、とくに自営業者ともなれば「自分の身は自分で守る」ことをしなくてはなりません。それに仕事に追われてしまうと不規則な生活になりがちでしょうから、知らず知らずのうちに内臓を痛めているなんてことだってあるかもしれません。そこで大腸をチェックしておくのも、健康を管理するうえでとても大切なことだと考えています。今日明日にとは言いません。どこかで時間を作って検査を受けてみるのはいかがでしょうか。