大腸内視鏡検査を無痛に!鎮痛剤についてのメリット・デメリットまとめ

がんやその他の病気の早期発見のために大切な健康診断。しかし、一度痛い思いをしてしまうと次に受けるのをためらってしまうのは皆さん同じです。また検査を受けたことがない場合も、人づてに痛かった体験を聞いて不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

とはいえ検査を受けずに病気が進行してしまったら、検査よりももっと痛い思いをすることも…。なるべく不安点を解消して、定期的な検査を受けるようにすることが大切です。

今回は、そんな痛みが気になる検査の中から大腸内視鏡検査について紹介いたします。

大腸内視鏡検査と鎮痛剤

痛みがある検査と聞いて、まず気になるのが鎮痛剤の存在。
病院で処方してもらったり、薬局で購入したりと手にする機会が多く、馴染みのある薬です。ロキソニンやEVEなど、頭痛や生理痛がひどい人は、服用することも多いのではないでしょうか?

この日常でも活躍する「鎮痛剤」ですが、なんと大腸内視鏡検査でも用いられているのです。

大腸内視鏡検査で鎮痛剤を使用可能!

大腸内視鏡検査では鎮痛剤を使用して検査をする病院が多いです。もちろん、すべての病院で全員に使っているというわけではありません。したがって痛みが気になる場合は、無痛検査を謳っている病院や、「鎮痛剤を使用」と記述のある病院を探してみましょう。

ただし、鎮痛剤を使用しているとパンフレットやHPに掲載している病院でも、自分が受けようとしたときに使えないことがあります。そのため、痛みに対する不安が強い人は事前に問い合わせるなどして痛み止めを使用できるかどうか確認しておくことをお勧めします。

鎮痛剤が使用できない場合もある

それでは、実際にどのような時に鎮痛剤が使用できないのでしょうか?具体的な例を見ていきましょう。

妊娠中・授乳中の方
・妊娠の可能性がある方
・体に不調があり、薬の使用が望ましくない場合
・服用している薬との飲み合わせが悪い場合
・薬にアレルギーがある場合
まずは、妊娠中や授乳中の方、もしくは妊娠の可能性がある方です。場合によっては使用できる場合もありますが、健康診断目的の大腸内視鏡検査なら特に、期間をずらして受けるタイミングを設けるのが最善です。万が一のことを考えると、安全策を取るに越したことはありません。

次に、体に不調があり、薬の使用が望ましくない場合。薬の使用によって、体に大きな負担がかかると判断される場合は、鎮痛剤を使うことはできません。その時服用している薬との飲み合わせが悪い場合も同様です。また、薬にアレルギーがある場合も、痛み止めなしでの検査になります。

大腸内視鏡検査は実際どれくらい痛いのか?

自宅からいける範囲に鎮痛剤の使用ができる病院があったとしても、我慢できるくらいの痛みなら薬を飲まないで済ませられないか?と考える人も少なくないでしょう。数年に一回のこととはいえ、副作用も全くないとは言い切れません。

では、実際の痛みの程度はどれくらいのものでしょうか?どれくらい痛いのか、痛みが出やすいのはどういう時かを見ていきましょう。

痛みの程度はやっぱり人による

痛みについては結論から言うと、人によるというのが一番多い答えでした。そもそも、同じ強さ、同じ種類の痛みだったとしても人によって感じ方が違うため、数値化が非常に難しく、文字通り感覚的なものになってしまいます。

そのため、鎮痛剤なしで受けてみるかどうかを、他人の感想や主観に左右される痛みの程度で決めるのは難しいです。鎮痛剤なしの検査に興味がある人は、一度思い切って受けてみるのがよいでしょう。健康診断的に受ける大腸内視鏡検査は一度受けて終わりではないので、その一回が良い試金石になります。

腸に癒着がある場合、特に痛みを感じやすい!

しかし、痛みの感じ方は人によると言っても、痛みを感じやすい体質の方はいらっしゃいます。たとえば、腸に癒着がある人などです。普通、腸はおなかの中で釣り下がるようになっていて、押すとぐにゅぐにゅと移動します。しかし、お腹を切る手術や、帝王切開などを経験していると癒着が起こり、移動をしない箇所が出てくることがあります。

大腸内視鏡検査は、腸の中にスコープを挿入していきます。しかしグイグイと押し込むのではなく、腸をアコーディオンのように畳んだり伸ばしたりしてスコープを入れていきます。そのため、癒着があると腸が動かず、引っ張られてより痛みが強くなります。

ただ、腸に癒着があり内視鏡の挿入が困難な方には「大腸カプセル内視鏡」という方法もあるので安心してください。

鎮痛剤と鎮静剤の違い

病院のHPを見ていると、鎮痛剤のほかに鎮静剤や麻酔などの文字が一緒に乗っていることが多くあります。特に、鎮静剤は鎮痛剤と同列に並べられていて、どういった違いがあるものかが一見して分かりにくいですよね。鎮痛剤の記載がなく、鎮静剤を使用しますとだけ書かれている場合もあります。

では、鎮痛剤と鎮静剤にはどのような違いがあるのでしょうか?

鎮痛剤=痛みを感じなくさせる

痛み止めといえばこれ。市販薬もいろいろなものが販売されているため、ほとんどの方が薬局で見かけた経験をお持ちでしょう。鎮痛剤が痛みに効く仕組みは様々ですが、感覚自体をなくしてしまう麻酔薬とは区別をつけて使用されています。頭痛や歯痛など、いろいろなタイミングで処方されることも多いため、どのように効くかは想像しやすいですね。

鎮静剤=意識をぼんやりさせて痛みに鈍くさせる

麻酔と区別されている場合と、同じようなものとされる場合があります。厳密にいうと違いますが、意識をはっきりしない状態に持っていくといった点では同じと考えていいでしょう。鎮痛剤と違うのは、痛み自体をシャットアウトするわけではないというところにあります。

鎮静剤は、与えられた痛みを意識しないようにするもので、種類によっては逆に痛みに過敏になるものもあるくらいです。睡眠薬として使用される場合もあるもので、かなりぼんやりした状態にはなりますが、意識はあるので強めに呼びかけられると返事ができます。

鎮静剤による効果は、寝ぼけているときに体を柱やドアにぶつけても、はっきりと起きているときより痛くないのと似ています。そのため、より痛みを抑えたい場合は、鎮静剤と痛みを鈍らせるための鎮痛剤を併用します。

鎮痛剤のメリット・デメリット

痛みを避けるうえでは心強い鎮痛剤ですが、そもそも鎮痛剤は検査のために必要なのでしょうか?病院に予約を入れる前に、鎮痛剤を使用するシーンで併用されることの多い鎮静剤のことも含めておさらいをしておきましょう。

メリット:痛みを感じない

鎮痛剤や鎮静剤を使用した大腸内視鏡検査の最大のメリットは、痛みがないということです。そのほかにも、緊張する場面は寝ている間に終わってしまう、大腸の中を管が通っていく違和感なく検査が済むなど、検査が怖いと思っている人には大変心強い味方になってくれます。

デメリット:副作用が出る可能性がある

もちろん、痛みを感じなくしまうという強い作用を持つ薬ですのでデメリットも存在します。

小さなところだと、点滴の針は刺さないといけないので、少ないながらも痛みを感じるタイミングがあります。大腸の中の痛みに比べればましかもしれませんが、どちらが痛いかは経験してみないとわかりませんよね。

また先ほど述べたように、鎮痛剤を使用できない方もいます。さらに、鎮痛剤は痛みをなくしてしまうものなので、車で来院する場合や午後から仕事が…という方も使用ができない可能性があります。

大きなものだと、薬剤によるアレルギーや、麻酔の効きすぎによる呼吸停止低酸素脳症などがあります。場合によっては重篤な後遺症が出る可能性もあるため、そのことも念頭に置いた上で使用するかどうかの判断が必要です。

使っても使わなくても、メリット、デメリットがあります。それぞれを天秤にかけて、自分に寄り合った方法を選びましょう。どうしても迷うようなら、一度鎮痛剤なしで受けてみて、痛いかどうかを確認してみるのがお勧めです。それで痛くなければ次からも鎮痛剤なしでよいですし、どうしようもなく痛ければ、迷わず鎮痛剤使用の内視鏡検査を選ぶことができます。

最後に

大腸の内視鏡検査では、特殊な場合を除き、大抵の健康な人は鎮痛剤を使用することができます。痛みに対する耐性は人によるため、使用するかどうかを迷ったら、一度鎮痛剤なしで試してみるのがお勧めです。

ただし、自宅から通える範囲の病院が鎮痛剤使用の検査を取り扱っていない場合や、自分で運転しないと病院までいけない場合は、体に問題がなくても鎮痛剤を使用した検査はできません。また、薬の使用に時間がかかるため、丸一日時間をとることができない場合も難しいでしょう。

鎮痛剤を使用するかどうかを検討するときは、病院へのアクセスなど、痛み以外についても調べておくことが重要です。

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